ましゅーましまし

LARPとフォントとTRPGと日本語配列とマダミスとキーボードと(電子ペーパー)ディスプレイと自由の話

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー:観客のテーマ理解が作品評価に与えた影響

ユア・ストーリーのテーマは「大人になれ」か、それとも(ゲームは)「もう一つの現実だ」か

「映画ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」(ユアスト)のテーマをどう理解しているかが作品を好ましく評価するかどうかに影響するかが気になったことがあり、2年ほど前にツイッターでアンケートをとってみたことがあります。

アンケートを取る際に選択肢として取り上げるテーマ(メッセージ)としては、作中の登場人物の発言の中から作品に批判的な文脈で引用されがちな「大人になれ」「現実に戻りなさい」というゲームに否定的なものと、この発言に近接してこれに対応するものとして発言されている(ゲームは)「もう一つの現実だ」というゲームに肯定的なものを取り上げました。ユアストのテーマはこれらのいずれでもないという理解*1もありえるところですが、ここではテーマ理解として対比しやすいものを選び、どちらで理解しているかと、合わせてユアストが嫌いか好きかを聞いてみました。

その結果は以下のようなものです。

この結果をざっくりとまとめると

  • ユアストのテーマ理解についてはゲームに否定的な「大人になれ」「現実に戻りなさい」とゲームに肯定的な(ゲームは)「もう一つの現実だ」の理解がおよそ半々
  • 「大人になれ」「現実に戻りなさい」とゲームに否定的なテーマと理解した人のほとんどはユアストが嫌い
  • 「もう一つの現実だ」とゲームに肯定的なテーマと理解した人だと好き嫌いがおよそ半分ずつ

ということになります。

テーマ理解で好き嫌いに差が出ているのではないか疑ってはいましたが、ここまで大きな差が出たことは意外でした。*2

ミルドラース(ウイルス)の発言をユアストのテーマと捉えて良いか

それでは、ユアストはゲームに肯定的なのでしょうか? それとも否定的なのでしょうか?

常識的に考えれば、肯定的なはずです。国民的なゲームの映画化においてゲームについてわざわざ否定的なメッセージを発するのは不自然ですし、ドラクエというゲームのファンを観客として想定しているはずなのに、その層にウケなそうだからです。

約半数にテーマであると捉えられた「大人になれ」「現実に戻りなさい」いった発言を作中でしているのは、映画の中のラスボスであるミルドラース(ウイルス)だけであり、作中に他にゲームに否定的なメッセージを発する主体や、ゲームに否定的なエピソードなどはありません。

つまり、この映画のテーマはゲームに否定的である、と捉えるためにはミルドラースの発言こそが映画の制作陣が届けたいメッセージだった、と読み取れる必要があります。

ミルドラース(ウイルス)の発言の文脈

ミルドラースとのラストバトルに至る直前に、主人公は父の仇であり長年の宿敵であるゲマとの対決に挑みます。部下のモンスターたちとの集団戦を経てゲマとの直接対決に挑み、最後には息子であり天空の勇者であるアルスの助けを得てゲマを倒します。ラストバトルとして十分な分量です。因縁のあるゲマも倒し、ここから原作のラスボスではありながら印象の薄いミルドラースとの闘いをどう入れ込むのか、それとも魔界への扉を閉じることでミルドラースと戦うことなく終わってしまうのか、というところで登場するのがミルドラース(ウイルス)です。

ミルドラース(ウイルス)は実際には魔界の王のミルドラースではなく、ミルドラースのキャラクターコードに擬態し、主人公が遊んでいたフルダイブ型のアーケードゲームに侵入してきた、ゲーム嫌いのハッカーが作ったウイルスです。*3 ユアストの世界自体がゲームであることについての伏線は作品中にいくつもあるのですが、原作がゲームであることをふまえたギャグ描写やサービス描写、あるいは原作の長いストーリーを映画の尺に納めるための改変と捉えることもできる程度に抑えられているものも多く、ゲーム外から敵が登場し、主人公が現実世界にあるゲーム機で遊んでいる人間である、という展開に驚いた人や展開が受け入れがたいと感じた人も多いようです。*4

さて、ミルドラース(ウイルス)の影響が画面上で明らかになり、ミルドラース(ウイルス)が倒されるまでのやりとりを確認すると以下のようなことが分かります。

  • ミルドラースハッカーの動機を「バーチャル世界の住人たちが嫌いで嫌いで仕方がない」と説明したのを
  • 主人公は「そんな理由でか…そんなくだらない理由で!」との単純なセリフで打ち捨て、
  • ミルドラースハッカーの伝言として「大人になれ」と伝えて「現実に戻りなさい」と続けたところ、
  • 主人公はミルドラースの攻撃の影響で、自分が現実世界の人間である記憶を明確に取り戻した上で「お前にも、お前を送り込んだ人間にも分からないだろうな」と反発し
  • 昔からドラクエ5SFCPS2の両方)を楽しんできた回想シーンを挟み、主人公の「僕にとってゲームの世界は決してウソじゃなかった」と告げ、今回の旅も心に残っていると断言した上で、
  • ミルドラームに「虚無だ 幻影だ」と言われてもゲームは「もう一つの現実だ」と反論し、
  • ゲームを監視していたアンチウイルスプログラムであったスラりん*5から「冒険を成し遂げろ」と提供されたロトの剣(ワクチン)*6を受けとり、
  • 主人公は一撃でミルドラースを打ち倒している

ここでの描写をまとめると「悪役は受け売りの薄っぺらいセリフをごちゃごちゃ言っていたが、主人公には一切響くことなく一蹴され、バトルでも一撃で倒されすみやかに退場した」といえるでしょう。「悪役の方にも一理あるのではないか」と思わせたり、「悪役と主人公のどちらが正しいのだろう」と悩ませるような描写はありません。

そしてミルドラース(ウイルス)退場後も、主人公は自分がゲーム外の存在、現実世界の人間であるということに気付いたにも関わらず、そのままゲームを続けてエンディングを迎えています。ヘンリーは主人公に「お前こそ本当の勇者だ」と呼び掛け、主人公もラインハットへと帰るヘンリーに対し「必ず、必ずまた会おう」と呼び掛けます*7。さらに主人公はエンディングを迎え現実の世界に帰ることになっても「お前たちは確かにいたんだ」「僕は勇者だったんだ」と述懐しています。

これらの描写を踏まえると、映画のテーマは悪役の発言にこそあったと見るのは無理があり、勝った主人公による「(ゲーム)はもう一つの現実だ」の方が映画のテーマを体現している、と読むのが素直です。映画のテーマがゲームに否定的であったと読み取ったのは観客による誤読というべきでしょう。

なぜ観客の約半数が誤読したのか

観客の半分が映画のテーマがゲームに否定的であったと誤読していたとすると、「もし誤読されなかったのであれば、ユアストの評価はもっと高くなった」という可能性があります。アンケート結果によると誤読をしなかった人でも嫌いな人の方が少し多いので、誤読がなくても広く好まれた作品にはなれなかったかもしれませんが、「賛否両論」くらいの位置付けになれたかもしれません。

観客はなぜテーマがゲームに否定的だと誤読したのでしょうか。とりあえずの仮説としては、「観客がミルドラース(ウイルス)が登場するまで映画の世界・物語に深く没入しており、それに対してゲームを描いているという伏線は比較的弱くなってしまっていた。『実はゲームだった』だというオチが観客にとって急展開にすぎて、戸惑っている間に悪役によって発せられた『大人になれ』『現実に戻りなさい』という発言の印象が強く刺さりすぎ、主人公が一蹴する小物の戯言である、という認識に至れなかった」人が一定数いたのではないか、と考えています。

制作陣はユアストをドラクエVの映画化と表現することを避けており、映画のタイトルにもVとはつけずにユア・ストーリーという副題をつけたり、予告編でも不穏な描写を含めることでVの単純な映画化ではないというヒントも出していたのですが、主人公がパパスを失うシーンや花嫁選び、幼少期との自分の対面、ゲマとの激闘などに力を入れ「かなりまじめにドラクエVをやっちゃった」が故に起きてしまった事故だったのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

*1:例えば作中の発言をから選ぶとしても「必ず、必ずまた会おう」や「僕は、勇者だったんだ」の方がふさわしい、という理解。

*2:集まったのは60票にすぎず、またツイッターでのアンケートなので科学的な調査とはいえない、という留保は必要です。

*3:ウイルスではなく、ゲームが主人公を楽しませるために意図的に作った、「ウイルスという設定の新キャラ」だったという解釈の余地もありますが、ここは素直にゲーム外から侵入してきたウイルスである、と解釈することとします。

*4:私はなんらかのメタ的で反発の多い「オチ」があることをツイッターのタイムラインで流れる情報から察しつつも、数名の友人が高評価していることも確認できていたので、伏線を探しながら観ておりこの展開を前向きに楽しむことができました。

*5:ゲームの制作陣や映画の制作陣と近しい立場といえます。

*6:ドラクエVをテーマにしているはずなのに天空の剣ではなくロトシリーズの勇者の剣が出てくること批判的な意見もありますがこの場面ではミルドラース(ウイルス)によりドラクエVの世界は一旦破られており、天空シリーズに囚われる必然性はなくなっています。そして破られた世界を修復するのに、主人公がロトの剣を使うのは、アルスとは違った意味でゲームのプレイヤーである主人公もまた勇者である、という作品のメッセージとして理解できるでしょう。

*7:つまり、主人公は今後もドラクエ、そしてゲームに戻ってくるということです。

TRPG系書籍と悪しき中世主義:山北篤『ゲームのタネ!』の例

この記事について

これはどんな記事か

これは1996年に富士見ドラゴンブックとして刊行された『ゲームのタネ!』(山北篤)の「旅」の章における中世ヨーロッパにおける情報伝達速度に関する主張が誤りであり、しかもそのことは同書籍が根拠としたであろう資料の記載自体から分かる、ということを指摘する記事です。

なんでこんな記事を書いているのか

2021年に『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』という翻訳書が出ました。これは中世ヨーロッパでは「地球が平面だと信じられていた」といった「劣っていた暗黒時代である」という方向性のデマや誤解(つまり、フィクション)を取り上げていき、その誤解を解くと共にそういう方向のデマや誤解が受け入れられやすい素地を作っている中世主義について批判している本です。

www.heibonsha.co.jp

各テーマについて(1)どういうフィクションが広まっているか、(2)フィクションが広まった経緯とフィクションを広めた文献、(3)フィクションに対する反論と根拠となる分かりやすい中世当時の文献の翻訳、という順番で提示されていくのが特徴的です。特に(3)の文献資料の選び方が上手くて説得的です。原文は英語で欧米向けに作られているので、日本ではあまり知られていないフィクションも含まれているのですが、それでも読ませます。

さて、この本の感想として私の注意を引いたのは小太刀右京氏の以下のツイートに連なるスレッドです*1

より具体的には下記の「我々が不勉強だとおっしゃられてるようでちょっとイヤ」の部分を読んで思うことがありました。

これを読んだときに、TRPG系の読者に向けて書かれた本の中に中世ヨーロッパに関する"風呂に入らず誰もが不潔だった"といった"劣っていた暗黒時代である"という方向性の怪しい論述を事実として書き、前掲書が批判する悪い意味での「中世主義」的な言説(これ以降本稿では「悪しき中世主義」と呼ぶことにします)を広めているものがあったはずだ、と思い出したのです。

たしか富士見ドラゴンブックで刊行されていたはずだ、ということでまずは持っている書籍の中から見直して見つけることができたのが『ゲームのタネ!』でした。同書の主張は中世ヨーロッパでの通信網の整備の遅れを指摘するものであり『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』で扱われているテーマではありませんでしたが、中世ヨーロッパについて「未開」あるいは「文明の退化した」地域だと主張するものです。

「風呂に入らない」系の記載もどこかで読んだはずと思いつつも見つけるのに時間がかかりましたが*2、同系統の記載は『ファンタジーRPG百の常識』(長尾剛)シリーズに含まれていることを後に見つけています。

今回は、『ゲームのタネ!』の方を取り上げます。こちらを取り上げる理由は、著者が参照したであろう資料を特定できたことと、指摘すべき箇所が一章だけでありかつ主張が明確である分明確な指摘が可能であることと、『ゲームのタネ!』については私が執筆中の同人誌で好意的に触れる予定があるので批判すべき点は先に批判しておきたかったことからです。

『ゲームのタネ!』の主張

『ゲームのタネ!』の「旅」の章で著者は「中世期のヨーロッパはものすごい後進国で、道路や通信網の整備において、他の地域から千年は遅れていた」と主張し、「実例」として以下のような主張をしています。

  • 十三世紀モンゴルの騎馬飛脚は一日に375km進む
  • 十四世紀のインドの早飛脚は一日に300kmだ
  • 十四世紀の教皇急使は一日に100kmしか進まない
  • ローマ時代なら連絡網が整備されていたので、一日に300kmほどの速度で連絡がついていた
  • 一日に300km以上の速さは連絡網の整備があってこそできる
  • 中世ヨーロッパは後進国だったので、このような進歩した制度を作れなかった

主張についての疑問

私が同書を読み返した際に気になったのはアジアの飛脚と比べられている教皇急使って何?」 ということでした。「教皇急使」という用語をここ以外で見たり聞いたりした覚えがありません。教皇が誰か遠くの人に何かを伝えたくて急使を出す、ということ自体はありそうですが、「教皇急使」という役職や用語をこのコラム以外で見聞きしたことがありません。

アジアの飛脚を情報伝達の速度が速い例として比較対象に挙げていますが、この教皇急使というのは中世ヨーロッパの中では情報伝達の速度が速い例としてアジアの飛脚と比較するのに適しているのでしょうか?

こういうときはまずググってみます。”教皇急使”で検索すると3件だけヒットし、いずれも『中世の旅』(ノルベルト・オーラー)から中世の移動速度について引き写しているページです。他の用例は見当たりません。とすると著者が上記の主張をする際に参照した書籍はこの「中世の旅」である可能性が高そうです*3。この教皇急使が何者なのかについては、『中世の旅』を読まないと分からなそうです。

『中世の旅』の検討

教皇急使」の謎

ノルベルト・オーラーの『中世の旅』*4の中身を検証してみましたが、「教皇急使」という存在がどういう存在かはっきりとは分かりませんでした。というのも、「教皇急使」という単語は同書142ページにある移動速度一覧の表の中にしか登場しないからです。索引欄から推測するに、93ページに登場する「教皇特使」や340ページに登場する「教皇使節」の表記ゆれの可能性があり、仮にそうであるとすると書簡(メッセージ)だけを急いで届けるというよりも教皇の決定事項を伝えると共に現地の情報を収集し、ローマに持ち帰る役目を果たせる人物の移動速度であると考えられます*5

こういった人物の移動速度を交代しながら書簡や荷物だけを届ければ良い飛脚の速度と比べるのが適切かは疑問ですが、中世ヨーロッパについて教皇急使より速い通信速度の記録がないならそういう比較になるのも仕方ないでしょう。では、教皇急使よりも速い通信速度の記録はないのでしょうか。

移動速度一覧

ここで、『中世の旅』に含まれる「平均的な一日の行程」の表を見てみましょう。

『中世の旅』142ページより。(藤代幸一訳、法政大学出版局。初版第3刷)

「13世紀モンゴルの騎馬飛脚」「14世紀インドの早飛脚」といった表現とそれぞれの行程キロ数、「14世紀の教皇急使」という表現と平野部での行程キロ数からして、著者がこの表を参照しながら書いていたのはまず間違いないでしょう。

ここで注目すべきは「14世紀フランスとスペインの急使」という欄があり、行程キロ数が「150~200キロ」とされていることです。教皇急使より早い情報伝達手段が記載されています。比較するなら速いもの同士を比較するべきですから、ヨーロッパでの移動速度としてはこちらの数字を使うほうが適切です。

教皇急使の100kmと300~375kmとの比較だと3倍から4倍近くの差がつきますが、150~200kmと300~375kmでは1.5倍から2倍くらいに縮まります。差はありますが、だいぶインパクトが小さくなりますね。ヨーロッパは後進国だという結論につなげたいという思いがあったことにより、比較対象として選択すべきヨーロッパ側の移動速度を誤ってしまったのではないか、という疑念が生まれます。

「フランスやスペインではモンゴルやインドに比べて範囲が狭すぎるので比較対象として相応しくない」という判断をした可能性も一応考えられます。しかし、地域によって一日の行程に差があるのかどうかについて同様な吟味をモンゴルやインドの飛脚に対して行った形跡はありませんし、仮にそういう判断が行われたとしても同書において「フランスやスペインの国内の急使は150-200km移動できたようだが、それは両国のみに見られる〇〇の事情によると思われ、ヨーロッパ全体の移動速度として見るなら教皇急使が比較対象として適切」といったような記載をした上で『中世の旅』から参照したデータを使用していることを明記すべきでした。

結論

『ゲームのタネ!』はヨーロッパでの情報伝達速度について根拠としていた資料からいえることよりも劣ったイメージを広めてしまっています。これはTRPG系の書籍が悪しき中世主義を広げてしまった例です。

おまけ:『中世の旅』の悪しき中世主義

ここまで『中世の旅』という元資料に比べると『ゲームのタネ!』の記載は良くない、これは悪しき中世主義ではないか、という話をしておいてなんなのですが、『中世の旅』にも問題のある記載があります。

179~180ページにかけて、当時は「キリスト教著作者」により地球は球ではなく円盤だと信じられていた、この問題を討議すれば「啓示宗教の牧者との摩擦を招いた」、球だといえば異端審問の対象になり火刑に処されることもありえた、という記載があるのです。中世ヨーロッパで地球が平らであると信じられていた、とか地球が平らであるというのが当時のキリスト教の教義であったというのは後世で生まれた根拠のないデマであり*6、悪しき中世主義の代表例です。他の記載にも中世ヨーロッパの知識レベルや技術レベルを低く見てしまうバイアスがかかっているのではないか、と心配になります。また、学者の書いた本にも普通に悪しき中世主義が含まれてしまうことがあるのだから、一般人の読者がそれに影響されてしまうのは致し方ないところがある、ともいえます。

*1:小太刀さんのツイートの中身は訳者後書きに対する日本での中世ファンタジー要素の受容の歴史に関しての反論であり、同書の本論や今回の記事とはあまり関係がありません。

*2:ツイッターでつぶやいた断片的な記憶から知人がこれではないかと指摘してくれました。

*3:『ゲームのタネ!』の巻末にはブック・リストがありますが、『中世の旅』は含まれていません。歴史関係の書籍はほとんど含まれておらず、あえていえば「土佐日記」と「君主論」があるくらいです。

*4:藤代幸一訳、法政大学出版局。初版第3刷。

*5:ただ、そういう人物の移動速度だとすると後述の表に出てくる「替え馬を乗り継ぐ急使」と同等以上の速度ということになり、速すぎるかもしれません。教皇特使と教皇急使を同一視している索引の方がミスリーディング気味である可能性も十分にあります。正確を期するにはドイツ語の原文を確認する必要があるでしょう。

*6:前掲した『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』第2章やスティーブン・J・グールドの『干し草のなかの恐竜』に掲載されている「平面地球論の遅い誕生」で詳しく論じられています。

統率者デッキ:野生の意志、マラス Type-E:アースクエイク 100枚解説

概要

私の魂のカードである「地震」やそれと同系の全体火力、そして全体火力と相性がいい「ダメージを受けることとシナジーがある」クリーチャー等とのシナジーを活かしたデッキを作るために統率者に《野生の意志、マラス》を採用したデッキリストを紹介。

統率者戦では全体除去が強力であることから全体除去の一種である全体火力を多く採用し、その全体火力を使ったときにメリットがあるようにして自分に立とうとしようとするのが基本コンセプト。マラスの採用理由は自陣のキャラクターに任意にダメージを与えられることと、色(赤緑白)が好きだから。

ただ、マラスはトークン戦略が強いのと、トークン戦略は盤面の回復が容易ということで全体火力との相性も悪くないということでトークン戦略用カードも多くなっている。

マイナーなカードも使いながらやりたいことをやる系のデッキとしてはそれなりに強いつもりだが、小型から中型のクリーチャーを並べてくる相手には対して強く、コンボ対応やスタック上の闘いなどには弱いといった特徴があり、競技環境向けではないだろう。

他のリスト

日本語でのマラスのデッキ解説としてはnaket氏のものがすでにあり、私もいくつか参考にして取り入れたカードがある。私よりも競技的な環境を意識しているようで、趣はだいぶ異なる。

この記事の後に公開されたリストとして、以下のようなものがある。

2023年6月にGoogle検索をして発見した過去のリストとして以下のようなものがある。

統率者:野生の意志、マラス

野生の意志、マラス

払ったマナの数だけ+1/+1カウンターが置かれて出てくるクリーチャーで、Xマナと置かれている+1/+1カウンターをX個払うことで、以下のどれかができる。

  • +1/+1 カウンターをクリーチャーに置く(カウンター移動)
  • 任意の対象へのX火力(1点火力を連発できるのが良い)
  • X/Xの緑のエレメンタルトークン生成(1/1を並べることが多い)

できることが多く、統率者税がかかってもその分+1/+1カウンターも増えるので長期戦でも活躍できる楽しい統率者。

しかし、とにかくマナ食い虫。あるターンにマラスを出すのにマナをほとんど使ってしまって、能力のシナジーを活かせるのは次のターン、ということも起きる。それに対処したいなら"トークンが増えたらマナも増える"ような態勢を整えるべきだが、このリストではそこまでしていない。

以下、このリストでやりたいことが分かりやすいように(カードタイプごとではなく)、リスト内でカードが果たす役割ごとに説明していく。カードイラストの大きさが2種類混じっているのはご容赦願いたい。

マラスの火力とも全体火力とも相性が良いクリーチャー

ダメージを受けるごとにメリット

群棲する猛竜
切り裂き顎の猛竜

イクサランから激昂持ちの恐竜を2体採用。

激昂はマラスや紅蓮炎血から任意で起動できる1点火力で何度も誘発させるのが相性が良いが、全体火力に巻き込まれて死ぬときも一回は誘発するので悪くない。ブロッカーとして立てておくと、攻撃されにくくもなる。

群棲する猛竜は、猛竜を維持しながら上記の1点火力でデッキから基本土地を毎ターン2枚持ってくることができ、相当なマナ加速になりえるが、今は死者の原野を入れて土地を散らした構成にしているので最大でも6枚しか持ってこれないのが中途半端。

切り裂き顎の猛竜はそれなりのサイズでありつつ繰り返し使えるドローソースになる。

両クリーチャーと紅蓮炎血が並ぶと、赤マナ1点で敵小型クリーチャーを除去しつつ、1ドローとランプが行えて楽しい。

マラスと相性の良い激昂持ちとしては、マナ1点でマラスと自分以外に自陣クリーチャーに+1/+1カウンターを配れるようになる吠えるイージサウルスがあるが、聖戦士の進軍+トークン生成の方が強いため、採用していない。

火力の効きを強化

損魂魔道士

敵クリーチャーへの火力が全部-1/-1カウンターになる。破壊不能にも対処できる、ダメージがターンを跨いで残るようになる、など火力の効きが強化される。X火力に巻き込まれて死ぬが、メリットの方が多いのではないかということで採用している。まだ実戦では活躍していない。

死ぬとメリット

アカデミーの学長

死ぬとライブラリから好きなエンチャントを場に出せるというインチキ効果。このデッキはエンチャント多めであり、勝ちにいくか、マラスの能力を強化するか、相手を妨害しに行くか、などを場面によって選べる。

全体火力に巻き込まれて勝手に死ぬし、マラスを使ってインスタントタイミングで殺す(例えば追放されそうになる前に殺す)こともできる。告別で自分で追放してしまわないように注意。

全体火力でダメージを受けたり与えるのと相性が良いクリーチャー

ダメージ受けるとダメージを与える

ボロスの反攻者
不機嫌な一匹狼
吠え群れの報復者
無作法な挑発者

受けたダメージ分だけ他の対象にダメージを飛ばせる効果をもつクリーチャーを3体採用。全体火力のダメージ量を強化してくれる。挑発者はダメージで死なない、一匹狼は報復者となってこちら側にクリーチャーを並べた上で全体火力を撃てばそのまま勝てる、といった強みがある。反攻者は色マナ要求も重くて中途半端かもしれず、怒りの神、トラフトとの入れ替えを検討中。

ダメージ受けると強化

嵐生の飛び山羊
草ハイドラ
活力

ダメージを受けると代わりに+1/+1カウンターが増えるクリーチャーを3体採用。全体火力を撃ってキレイになった戦場を強化されたクリーチャーで殴りに行ける。

ダメージの代わりにカウンターが乗る範囲が草ハイドラと飛び山羊(非戦闘ダメージのみ)は自身、活力は自陣の他のクリーチャーと、それぞれ異なるので注意。活力は自分を守らないので、6点以上の全体火力で死ぬが、他の自陣クリーチャーを守りながらそれぞれにX個の+1/+1カウンターが置かれるので許容できる。

ダメージを移し替えられる

コーのシャーマン

自身に来たダメージは自陣にいくらでも移し替えることができ、他のクリーチャーに来たダメージを引き受けてその上で自陣クリーチャーに移し替えることができる。自陣に他のクリーチャーが1体でもいれば全体火力を生き延びることができるし、ダメージを受けることとシナジーがあるクリーチャーに移せばそのシナジーを倍加できることも。いろいろ楽しいことができるが、実戦ではまだ活躍していない。2つ目の能力は敵クリーチャーが受けるダメージにも使えるため、共闘相手のクリーチャーを守りつつ、ダメージを自陣クリーチャーに回してシナジーを得る、といったこともできる。どちらの能力もダメージが与えられる前にインスタントタイミングで起動しなければならないことに注意。

全体火力でライフ大回復

タマノーア

ライフ回復手段。全体火力のついでにライフが大量回復する。全体火力で死ぬが、そのときにライフを何十点も回復させてくれたりする。全体火力で自分のライフを減らしてしまうことも多いこのデッキでは嬉しい。マラスなどクリーチャーの能力でのダメージでは回復しないのに注意。紅蓮炎血はタマノーアを殺さずに回復しながあダメージを撒き続けることができるので楽しい。

全体火力

全体火力は10枚採用している。

冒涜の行動

最高効率では1マナ13点全体火力。マラスからトークンを出すのにかかるのと同じだけコストが下がる。同じターンで行なうのは一見無駄だが、タマノーアや報復者がいるときはその効果が上がるメリットがある。

連鎖反応

敵クリーチャーが並んだり自陣トークンを増やせば、実質全体除去。トークン並べるとダメージが増え、高いダメージを受けることとシナジーがあるクリーチャーの効果が上がる。

地震
横揺れの地震

基本的な全体X火力。Xを小さくして自陣クリーチャーを生かしながらシナジーを得ることもできる。横揺れの地震の方が飛行クリーチャーにも届くので基本的には有能だが、地震にもスピリット・クレリックたちを巻き込まないというメリットはある。

紅蓮炎血

繰り返し使える全体火力。赤マナが足りず、大きなクリーチャーを殺せない場合があるのが残念。

激昂を毎ターン1~2回誘発させることで恐竜を維持したり、損魂魔道士を殺さずに-1/-1カウンターを配ったりと便利。場にクリーチャーがいなくなると割れるが、それまでに十分役目を果たしてくれるはず。

焦熱の合流点

1~3点の全体火力兼置物対策その1。どちらのモードも有効でない場というのは少なく、便利に使える。全体火力が1点ごとのダメージになるので激昂などを複数回誘発させたり、アーティファクトを破壊したりと便利に使える。一応プレイヤーにも火力を飛ばせる。

炎呼び、チャンドラ

1~4点の全体火力。+1能力はトークン戦略とも相性が良いし、0能力で脅威への回答を探しに行くこともできる。

溶岩震
嵐の怒り
家の焼き払い

プレインズウォーカーにもダメージを与える全体火力。溶岩震はインスタントであることとダメージ量を調整できる柔軟性、家の焼き払いはトークン戦略にも組み込めることで採用している。破壊不能への対処という点では破滅の刻も入れ替え候補になりえる。

トークン戦略

トークン戦略用でのフィニッシャー

マラス自体が優秀な1/1トークン生成機であり、マラス+トークン戦略用フィニッシャーだけで勝ちに行ける場合も多い。全体火力で盤面が空いているならなおさら。

魂の養育者、ベス

基本P/Tが1/1のクリーチャーが出るたび+1/+1カウンターが乗り、その分だけ基本P/Tが1/1のキャラクターを強化できるようになる。このカードは一度に複数の1/1トークンを出しても一回しか誘発しないのが残念だが、マラスは1/1を一回ずつ出すので相性が良い。これとマラスだけで勝てることも。なお、トークンとベス以外にも基本P/Tが1/1のクリーチャーを7体採用している。

宴の結節点、ジェトミア

トークン並べると+3/+0、警戒トランプル二段攻撃まで付くので、殴って勝てるようになるカード。ベスと違い、先にトークンを並べてからジェトミア出しても問題ないのは良い。

聖戦士の進軍

アカデミーの学長から出したいエンチャント第1位。マラスから1/1トークンを出すたびに、マラスや今出たトークンを含む全ての自陣クリーチャーに+1/+1カウンターが乗るので、マナさえあれば自陣が横と縦で同時に強化され、そのまま押し勝てる。

悪魔的な客室係

マラスからトークン並べると対戦相手を一体殴り殺せるカード。トランプルと速攻が両方ついているのがいい。ブロック割り当てが決まってから、マラスでトークン出す数を選べるのが便利。

トークン戦略と相性が良いカード

動物学者、ベニー・ブラックス

毎ターンマラスでトークンを出せば、毎ターンドローできる。召集のおかげで出すのにはあまりマナがかからないことが多い。トークン以外では誘発しない(マラスが場にいないと弱い)ことを問題視するなら噂の蒐集家や歓迎する吸血鬼が入れ替え候補になるか。

オーラの破片

置物対策その2。マラスからトークンを出すたびにインスタントタイミングでアーティファクトやエンチャントを割れる。早めに出すと対戦相手がマナファクトを出せなくてゲームが停滞したりし、自分以外は楽しくなくなりがちなカードなので、抜くことも検討中。解体の波が入れ替え候補か。

トークン生成カード

トークン生成は基本的にマラス頼りだが、トークン出す以外のこともできたり、土地枠でトークンを出せたりするカードはいくつか採用している。

盛大なるクレッシェンド

インスタントタイミングでのトークン生成と自陣クリーチャーへの破壊不能付与を両方こなせるので採用。まだ実戦で使っていない。

フェリダーの撤退

土地出したときについでにトークンを出すか、+1/+1カウンターとターン終了時までの警戒付与かを選べ、どちらも強いので採用。

死者の原野

土地枠でトークンを出せるので採用。誘発しやすいように基本土地は冠雪含めて6枚に押さえている。

反逆のるつぼ、霜剣山
バグベアの居住地

土地枠でトークンを出せるので一応採用。まだ実戦では活躍していない。ミシュラランドはバグベアの居住地のみ採用しているが、全体除去の後にミシュラランドで殴り勝つことを想定すると、ハイドラの巣も候補になりうる。

マラスと相性の良いパーマネント

解き放たれた繁栄

マラスからトークンが倍の数出るように。カウンターも倍の数載せられるから自分マラス自身のカウンターを増やせるようになるし、マラス火力も、7つ採用しているX呪文も倍になる。このリストのあらゆる戦略を強化するはずだが、まだ実戦で使えていない。

謎めいた三葉虫

マラスに能力起動用のマナを供給することができる便利クリーチャー。解き放たれた繁栄とマラスがあれば、マラスがこれと自分に自身に+1/+1カウンターを1マナで2個置くことで無限無色マナと無限+1/+1カウンター(そして無限ダメージ、無限トークン)になる。

デッキ中の無限コンボはこれだけであり、これか解き放たれた繁栄を抜けば「無限コンボはありません」と宣言できるようになる。


オーラと装備品

バジリスクの首輪

マラス火力に接死が付いて、クリーチャーをインスタントタイミングで簡単に除去できるようになる。マラスがいないときも、接死と絆魂をクリーチャーに付けられるのは嬉しい。

頭蓋骨絞め

マラスから出るトークンや役目を負えたタフネス1のCIPクリーチャーをドローに変換できる。トークンからのドローはマナ効率的には3マナ2ドローであるが、マラスのキャストを挟むとテンポはあまり良くないので、入れ替え検討候補。

稲妻のすね当て

とりあえず出しておけば、マラスを単体除去から保護できる。装備コスト0だし、とりあえず便利。

獅子の飾緒

墓地対策その1。3枚のクリーチャーサーチ、2枚のアーティファクト/装備品サーチで見つけられる。飛行クリーチャーに装備して空から殴ったり、適当なクリーチャーに装備させて全体除去を生き残らせられるなど柔軟性が高い。

最下層民

ダメージを受けることがメリットになるクリーチャーを多く採用しているので、いろいろ面白いことができる。破壊不能を持ち、ダメージを受けることがメリットになる挑発者や状況に応じてダメージを割り当てる先を選べるコーのシャーマンにつけるのが面白いか。敵クリーチャーにもつけられることを忘れずに。


ドローソース

再鍛の刃、ラエリア

殴るととりあえず衝動的ドローができる。追放された土地も出せるのが優秀。墓地のカードがまとめて追放されたときでもカウンターは1つしか置かれないので注意。墓地追放でたくさんカウンターが置かれるのもおいしい。

不屈の追跡者

土地を置くととりあえず調査ができるし、手掛かりを生贄にするととりあえずカウンターが置かれる。土地ランプとも相性がいいので採用。

ジェスカの意志

マナもプレイできるカードも増える、単純に強いカード。

軽くて強いクリーチャー

セラの高位僧

統率者戦ではライフが減る前(またはタマノーアかヘリオッドの介入で回復した後)に出せれば1マナ6/6飛行絆魂。特段のシナジーがある訳ではく、出せば勝てるというものでもないので、ラガバンやエスパーの歩哨などの他の軽くて強いクリーチャーが入れ替え候補。

パーマネント保護

ルーンの母

タップでクリーチャーを1体保護できる。全体破壊、追放、無色には無力だが、全体火力に対しては自分か他のクリーチャーを1体守れる。マラスを守ったり、カウンターを積んで大きくなったクリーチャーの攻撃を通したり、器用な立ち回りが可能。

無私の霊魂

(自分のものを含む)全体除去からクリーチャーを守れる。

ボロスの魔除け

3つのモードがあるが、パーマネント保護かプレインズウォーカー火力を使うことが多そう。まだ実戦では活躍していない。パーマネント保護をメインと考えるなら、万能なテフェリーの防御や、カードドローが期待できる鼓舞する呼び声が入れ替え候補になるか。

墓地対策

安らかなる眠り

最強クラスの墓地対策。3枚採用されているエンチャントサーチで見つけられる。

悔恨する僧侶

墓地対策その3。3枚のクリーチャーサーチで見つけられる。

単体除去

剣を鍬に
流刑への道

全体火力でクリーチャーの多くには対応できるので、白の単体除去にはインスタントであることと、追放除去であることを求めている。

内にいる獣や過大な贈り物はその汎用性やトークンを全体火力でついでに流せることを考えると、有力な採用候補となる。

全体除去

全体火力でクリーチャーの多くには対応できるので、白の全体除去には追放除去か、クリーチャー以外も除去できることを求めている。

遺棄の風

ソーサリータイミングでありクリーチャーしか除去できないが、2マナでの単体除去も兼ねるため、追放除去その3として採用。

告別

置物対策その3と墓地対策その4と追放除去その4を兼ねる。

質素な命令

置物対策その4兼クリーチャー全体破壊。追放除去で墓地対策もできる告別の方が強いが、マナ総量で破壊するクリーチャーを選別するのが有効な場面もあるかも。

置物対策

溶融

置物対策その5。マナ総量X以下のアーティファクトを破壊。赤1マナで魔力の墓所や宝物トークンなどのマナ総量0のアーティファクトを一掃できる。これを採用しているので、このリストで採用しているアーティファクトの数は抑えている。

耐え抜くもの、母聖樹

置物対策その6兼特殊土地破壊。相手に土地を一つ与えてしまうものの、土地枠で置物にも特殊土地にも対応できるのは優秀。

ヘリオッドの介入

置物対策その7兼ライフ回復手段。インスタントタイミングで複数の置物を選択的に除去できるのは良い。

サーチ

石鍛冶の神秘家

軽い装備品を4枚採用しており、適宜サーチできる。起動型能力はマナの節約にはならないが、インスタントタイミングで出せることが嬉しいときもあるかも。

月恵みのクレリック

エンチャントサーチその2。置かれるのがデッキトップなのを嫌うなら、牧歌的な教示が入れ替え候補。

悟りの教示者

エンチャントサーチその3とアーティファクトサーチ。多様なエンチャントを探すだけでなく、装備品や太陽の指輪も探せる。カードアドバンテージは無くすので注意。デッキトップを妨害してくるカードもあるので、唱えてすぐインスタントタイミングでドローして回収できる態勢だと安心。

帝国の徴募兵

クリーチャーサーチその1。パワー2以下のクリーチャーは他に16体採用しており、場面に合わせた柔軟な動きができる。

エラダムリーの呼び声

クリーチャーサーチその2。探せるクリーチャーに制限がないのもインスタントなのも良い。

舞台座一家の料理人、ロッコ

クリーチャーサーチその3。マナはかかるが、状況に合わせたクリーチャーを場に出せるのは便利。三葉虫は出しても死ぬので注意。

ギャンブル

リスクはあるが、万能サーチ。

マナ加速

太陽の指輪

溶融を採用していることとの兼ね合いで、マナファクトはカードパワーが異常な太陽の指輪のみを採用。マナの墓所もマラスの能力起動用にいいはずだが、なんとなく好きじゃないのと未入手なのとで不採用。

桜族の長老

このリストでは全体火力で死ぬ一般的なマナクリーチャーは採用していない。マナ加速するクリーチャーとしては全体火力の前に生贄に捧げられる桜族の長老のみ採用している。森の友、ジャヘイラは採用余地がありそうだが、よりトークン戦略を重視したリストの方が合いそう。

自然の知識
三顧の礼
スカイシュラウドの要求

森をアンタップインで場に出せるマナ加速呪文を優先して採用。基本的にはデュアルランドやジェトミアの庭を出す。

遥か見

タップインではあるが、基本土地タイプを持つ土地を森と冠雪の森以外はすべて出せる柔軟性を評価して採用。基本的にはジェトミアの庭かショックランドを出す。

土地

3色・5色土地

禁忌の果樹園

スピリットトークンは全体火力で流せてデメリットが小さいので採用。同盟相手を援護するためにトークンあげたりすることもある。

真鍮の都

土地からのダメージはタマノーアがあれば回復できるので、マナの合流点より優先して採用。

  • 統率の塔
  • ジェトミアの庭

フェッチランド

  • 吹きさらしの荒野
  • 乾燥大地
  • 樹木茂る山麓

フェッチランドは色の合う3枚を採用。フェリダーの撤退や死者の原野、不屈の追跡者といったシナジーもあるので、競技性を高めるなら9枚採用してもいい。

2色土地

デュアルランド

フェッチランドの柔軟性を上げるため、色の合う3枚をフル採用。市場から一時預かるだけと自分に言い聞かせて買ったはいいものの、ケースから出すのが怖くて実ゲームではまだプロキシを使っている。

ショックランド
  • 踏み鳴らされる地
  • 寺院の庭
  • 聖なる鋳造所

同じく色の合う3枚をフル採用。

ペインランド

ランプに使う色である緑が出る2枚を採用。土地からのダメージはタマノーアで回復できるのが、揃ったとき嬉しい。

クラウドランド
  • 尖塔の庭
  • 豪勢な大通り

緑が出る2枚を採用。

キャノピーランド
  • 地平線の梢
  • 灼陽大峡谷

2枚とも採用。痛いのとマラスがマナ食い虫で土地を並べ続けたいことを考えると、特に灼陽大峡谷は入れ替え候補。

フィルターランド
  • 火の灯る茂み

紅蓮炎血などでの赤マナ需要も考えて緑赤の1枚を採用している。入れ替え候補。

一色特殊土地
ペンデルヘイヴン

1/1のトークンを出すことも多いし、役に立つ場面もあるかと考えて入れたが、実戦ではまだ活躍していない。入れ替え候補。

成長の揺り篭、ヤヴィマヤ

無色土地から緑マナが出たり、ダメージやライフ支払いが必要な土地から無痛でマナが出せたりとメリットは大きい。

無色土地
露天鉱床

強い土地を壊すためにお守りのように一枚指し。土地サーチができるカードはギャンブルしか入れてないので、引けるかは時の運。

基本土地
  • 冠雪の森
  • 平地
  • 冠雪の平地
  • 冠雪の山

群棲する猛竜のために基本土地はそれなりに欲しいが、死者の原野のために土地のカード名は散らしたい、という要求からこうなった。

ほぼ全体写真。土地は比較的特色のあるものだけを示し、フェッチランドやマナ出すだけの土地は並べていない。

入れ替えカード候補

全体火力

  • 地底の揺れ
  • 巨竜戦争

マナ強化

  • ガイアの揺籃の地
  • 太陽の揺籃の地、イトリモク
  • 息詰まる徴税
  • 森の友、ジャヘイラ

ドロー強化

  • 噂の蒐集家
  • 歓迎する吸血鬼
  • オグマの文書管理人

速攻付与

  • ヤヴィマヤの火
  • パーフォロスの槌
  • 憤怒
  • 跳ね橋
  • タクタクの瓦礫砦

いずれも一長一短であるが、クリーチャーは全体火力で除去してしまいがちであること、憤怒を墓地に落とす手段などを考えるとヤヴィマヤの火かパーフォロスの槌だろうか。

トークシナジーに全振り

全体火力シナジーを抜いてその分印章の隊長やジェヘイラ、ジニー・フェイなどのトークシナジーを足したType-Tを準備しているが実ゲームが一回しかできていないので、現時点での解説は控える。